Luvantix | Co-Packaged Optics Platform
光電融合(CPO)・データセンター向けの光学材料
AIの普及で、データセンターの通信量と消費電力が急増しています。そこで注目されているのが、電気の配線の一部を光に置き換える「光電融合」です。Luvantix社は、光の通り道をつくる樹脂から、部品同士を光でつなぐ技術、検査装置までをそろえた「CPOプラットフォーム」を提供しています。
- ポリマー光導波路
- フォトニックワイヤボンディング
- マイクロGRINレンズ
- 光学接着剤
- インライン検査
【確認用の下書き】黄色の箇所は、メーカーへの確認が必要な箇所です(公開前に外します)。数値は Luvantix社 総合カタログ(2026年9月版)にもとづきます。
このページの内容
光電融合(CPO)とは
光電融合とは、電気で計算する半導体と、光で信号を送る部品を組み合わせて、データをより速く、より少ない電力でやり取りする技術です。日本でもNTTのIOWN構想などで研究開発が進められています。
これまでのデータセンターでは、サーバーやスイッチの前面に「光トランシーバー」という部品を差し込み、そこで電気信号と光信号を変換していました(プラガブル方式)。この方式では、半導体から光トランシーバーまで電気の配線が長くなり、通信速度が上がるほど、配線で失われる電力が大きくなります。
Co-Packaged Optics(CPO:コパッケージド・オプティクス)は、光の送受信部(光エンジン)を、半導体と同じパッケージの中のすぐそばに載せる方式です。電気の配線を短くできるため、消費電力を抑えながら通信速度を上げられます。シリコンの上に光の回路をつくる「シリコンフォトニクス」の技術とあわせて、AIデータセンターの通信を支える光電融合の技術として開発が進んでいます。
図:黄色が電気の配線、赤が光ファイバー。CPOでは電気の配線が短くなります(模式図)。
CPOの課題は「光の配線」
CPOでは、光チップ(PIC)と外の光ファイバーの間を、光のロスをできるだけ小さくしてつなぐ必要があります。ところが、光チップの光の通り道は数マイクロメートル(髪の毛の太さの数十分の一)と細く、光ファイバーのコアとは大きさも位置も違います。
この「光の配線」(光導波路・光配線・光インターコネクト)をどうつくり、どうつなぎ、どう検査するかが、光電融合のデバイスを量産するうえでの大きな課題です。
PW-Tx/Rx
WG-EP
PC-ND・GL-M/C・OA
青い枠の部分に、Luvantix社の材料・技術が使われます。つなぎ目の位置の測定・検査には、インライン検査装置(HT-NP)を使います。
Luvantix CPOプラットフォーム
Luvantix社のCPOプラットフォームは、光ガラスインターポーザ(光の配線をつくり込んだガラスの基板)を実現するための5つの技術に、硬化用のUV照射装置を加えたものです。材料や工程を1つずつ別々に用意するのではなく、光の通り道をつくる材料、部品をつなぐ技術、組み立て、検査までを1社でそろえて、まとめて開発を進められます。
このほか、光ファイバーと光チップの結合に使える薄型のGRINレンズアレイ(GL-M/C)や、インクジェットで屈折率の分布をつくる樹脂(PC-OG)もそろえています。
ポリマー光導波路用 コア・クラッド樹脂(WG-EPシリーズ)
ポリマー光導波路のコア(光が通る芯)とクラッド(そのまわりの層)をつくる、UV硬化型のエポキシ樹脂です。コア用とクラッド用を組み合わせて、光を閉じ込めるのに必要な屈折率の差をつくります。
- 低屈折率・低損失。光ガラスインターポーザの上での光導波路づくりに
- ネガ型の光硬化樹脂で、ウェハにスピンコートし、フォトリソグラフィでパターンをつくれます。インクジェット用(_1K)もあります
- 硬化収縮が小さく、複屈折(向きによる屈折率の差)が小さく、環境の変化に強い
- 用途:光電融合(CPO)、光インターポーザ・光ファンアウト、シリコンフォトニクスの実装、AIデータセンター・HPCの光配線

| 品番 | 用途 | 塗布方法 | 屈折率(硬化後・1550nm) |
|---|---|---|---|
| WG-400EP | ポリマー光導波路 | スピンコート | 1.400 |
| WG-400EP_1K | ポリマー光導波路 | インクジェット | 1.400 |
| WG-420EP | ポリマー光導波路 | スピンコート | 1.420 |
| WG-420EP_1K | ポリマー光導波路 | インクジェット | 1.420 |
| WG-460EP | ポリマー光導波路 | スピンコート | 1.460 |
| WG-460EP_1K | ポリマー光導波路 | インクジェット | 1.460 |
| WG-480EP | ポリマー光導波路 | スピンコート | 1.480 |
| WG-480EP_1K | ポリマー光導波路 | インクジェット | 1.480 |
すべて低損失グレード。光通信で使う波長(1550nm)での屈折率です。
フォトニックワイヤボンディング(PW-Tx/Rxシリーズ)
フォトニックワイヤボンディング(PWB)は、ナノ3Dプリントで、光チップや光導波路、光ファイバーの間を、樹脂でできた細い「光の線」でつなぐ技術です。部品の位置が少しずれていても、実際の位置に合わせて線の形を設計できるため、位置合わせの許容範囲が広く、設計の自由度も高まります。Luvantix社では、受託サービスとして提供しています。
- 送信側(Tx)は線の太さ1.8μmで損失2.54dB、受信側(Rx)は6.5μmで損失0.1dBの実績
- 用途:チップ間の光接続、シリコンフォトニクス、光トランシーバー(TOSA・ROSA)、LiDAR、医療・バイオ向けのフォトニクス

| 品番 | 用途 | 線の太さ | 線の長さ | ビームモード | 接続損失 |
|---|---|---|---|---|---|
| PW-18TX | 送信(Tx)-光導波路 | 1.8μm | 127μm | シングルモード | 2.60dB未満 |
| PW-65RX | 受信(Rx)-光導波路 | 6.5μm | 127μm | シングルモード | 0.10dB未満 |
線の長さは、カタログでは127μm、メーカーサイトでは110μmと記載が異なるため確認中です。
超薄型マイクロGRINレンズアレイ(GL-M/Cシリーズ)
GRINレンズ(屈折率分布型レンズ)は、レンズの中の屈折率を少しずつ変えることで、曲面がなくても光を集めたり、平行な光(コリメート光)にしたりできるレンズです。
GL-M/Cシリーズは、厚さ200〜900μmの薄い板の中にGRINレンズを並べた一体型のマイクロレンズアレイです。何枚ものレンズを重ねていた構成を1枚に置き換えられ、光ファイバーと光チップの光の結合や、コリメートレンズとして使えます。
- 通信波長(1310nm・1550nm)のシングルモード向けに設計
- ウェハレベルでの製造に対応し、小型の光学系をつくれます
- 用途:AIデータセンター・HPCの光接続、CPO、シリコンフォトニクスの実装、液冷のCPOでのビーム結合

| 品番 | 用途 | 配列 | レンズピッチ | 倍率 | ビーム径 | レンズの厚さ | 集光スポット径 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| GL-04102M | CPO・PIC | 4×1(4ch) | 127μm | −0.21 | 40μm | 696μm | 8.0μm |
| GL-08102M | CPO・PIC | 8×1(8ch) | 127μm | −0.21 | 40μm | 696μm | 8.0μm |
| GL-08202M | CPO・PIC | 8×2(16ch) | 127μm | −0.21 | 40μm | 696μm | 8.0μm |
| GL-40202M | CPO・PIC | 40×2(80ch) | 127μm | −0.21 | 40μm | 696μm | 8.0μm |
| GL-04110C | コリメート | 4×1(4ch) | 127μm | +1.0 | 40μm | 928μm | 40μm |
| GL-08110C | コリメート | 8×1(8ch) | 127μm | +1.0 | 40μm | 928μm | 40μm |
| GL-08210C | コリメート | 8×2(16ch) | 127μm | +1.0 | 40μm | 928μm | 40μm |
| GL-40210C | コリメート | 40×2(80ch) | 127μm | +1.0 | 40μm | 928μm | 40μm |
カタログでは GL-08102M が「8×1=4CH」、GL-40210C のレンズの厚さが「127μm」と記載されていますが、メーカーサイトの値(8ch・928μm)で掲載しています。
ナノ3Dプリント(二光子重合)用樹脂(PC-NDシリーズ)
二光子重合(2PP)は、レーザーの焦点の部分だけで樹脂を固め、マイクロメートル以下の細かさで立体をつくる3Dプリントの技術です。PC-NDシリーズは、この二光子重合に使える低屈折率の樹脂です。メーカーによれば、ナノ3Dプリントに使える世界初の低屈折率樹脂で、2024年に特許を取得して実用化されました。
- 屈折率を1.330(水と同じ)〜1.670の範囲から選べます
- マイクロレンズ、自由曲面レンズ、ミラー、光回路、光導波路などの微小な光学部品の試作に
- CPOでは、光を結合するためのマイクロレンズの造形に使われます

| 品番 | 用途 | 特長 | 粘度(mPa·s) | 屈折率(硬化後・589nm) |
|---|---|---|---|---|
| PC-320ND | ナノ3Dプリント | 水と同じ屈折率 | 2,500 | 1.330 |
| PC-340ND | ナノ3Dプリント | 低屈折率 | 2,500 | 1.344 |
| PC-380ND | ナノ3Dプリント | 低屈折率 | 2,500 | 1.391 |
| PC-400ND | ナノ3Dプリント | 低屈折率 | 2,500 | 1.418 |
| PC-452ND | ナノ3Dプリント | 石英(SiO2)と同じ屈折率 | 2,500 | 1.456 |
| SH-548ND | ナノ3Dプリント | 耐熱 | 2,900 | 1.548 |
| PC-600ND | ナノ3Dプリント | 高屈折率 | 3,300 | 1.600 |
| PC-670ND | ナノ3Dプリント | 高屈折率 | 5,500 | 1.670 |
インクジェット3Dプリント用 低屈折率樹脂(PC-OGシリーズ)
インクジェットで樹脂を少しずつ積み重ね、レンズの中の屈折率を場所ごとに変える(屈折率分布をつくる)ための、低粘度の低屈折率樹脂です。曲面を削ったり磨いたりせずに、GRINレンズや、軸対称でない位相板などの複雑な光学部品をつくれます。屈折率の異なる樹脂を組み合わせれば、1つのレンズに複数の光学的な性質を持たせることもできます。
- 屈折率1.315〜1.450
- インクジェットに適した低粘度(10mPa·s未満の品も)
- 硬化後の表面が硬く、インクジェットでつくるGRINレンズに

| 品番 | 用途 | 特長 | 粘度(mPa·s) | 屈折率(硬化後・589nm) |
|---|---|---|---|---|
| PC-315OG | インクジェット | 極低屈折率 | 50未満 | 1.315 |
| PC-340OG | インクジェット | 低屈折率・低粘度 | 40未満 | 1.340 |
| PC-360OG | インクジェット | 低屈折率・低粘度 | 20未満 | 1.360 |
| PC-380OG | インクジェット | 低粘度・高硬度 | 10未満 | 1.380 |
| PC-400OG | インクジェット | 低粘度・高硬度 | 10未満 | 1.400 |
| PC-420OG | インクジェット | 低粘度・高硬度 | 10未満 | 1.420 |
| PC-450OG | インクジェット | 低粘度・高硬度 | 10未満 | 1.450 |
品番は、カタログの「PC-3150G」などの表記ではなく、メーカーサイトの表記(PC-315OGなど)で掲載しています。
光導波路のリアルタイム3Dインライン検査装置(HT-NPシリーズ)
ポリマー光導波路、窒化シリコン(SiN)の光チップ、レーザーダイオード、光ファイバーの、光が通るコアの位置を、3次元でリアルタイムに測る装置です(特許出願中)。
測った位置をもとに、フォトニックワイヤボンドの形と配置を自動で設計し直すことで、部品のつなぎ目の損失を抑えます。製造ラインでのインライン検査や、量産での品質管理にも使えます。

| 品番 | 用途 | 特長 | 分解能 | 表面の感度 |
|---|---|---|---|---|
| HT-NP01 | 3Dスキャン | 高速 | 130nm | 0.1nm |
HT-NPシリーズはカタログにのみ記載があり、メーカーサイトには掲載がありません(取り扱いを確認中)。
Luvantix社と大倉ケミテックについて
Luvantix ADM(本社:韓国・大田)は、低屈折率のUV硬化樹脂を専門とするメーカーです。1997年に英国サウサンプトン大学の光エレクトロニクス研究センターとともに、低屈折率のUV硬化樹脂を世界で初めて実用化しました。屈折率1.32まで下げたUV硬化樹脂をはじめ、30年以上にわたって光ファイバーや光学部品向けの材料を開発しています。低屈折率のUV硬化樹脂に関する特許は12件。ISO9001・ISO14001・ISO13485を取得しています。
大倉ケミテックは、Luvantix社の日本の窓口(Luvantix Japan)として、製品のご紹介、サンプル、お見積り、技術的なご相談を承っています。