Luvantix | Optical Adhesive OA Series
光ファイバーの接続・固定に使う光学接着剤
光学接着剤(OAシリーズ)は、光が通る部分(光路)の接着や、光ファイバー・光学部品の固定に使う、UV硬化型の接着剤です。硬化後の屈折率は1.390〜1.520。屈折率の低さ、硬化収縮0%、磨きやすさなど、用途に合わせて選べます。
- 屈折率 1.390〜1.520
- UVで硬化
- 硬化収縮0%(エポキシ系)
- RoHS・REACH対応
【確認用の下書き】黄色の箇所は、メーカーへの確認が必要な箇所です(公開前に外します)。数値は Luvantix社 総合カタログ(2026年9月版)にもとづきます。
このページの内容
光学接着剤とは
光学接着剤は、部品をつなぐだけでなく、接着した部分を光が通ることを前提につくられた接着剤です。透明であることに加えて、次のような性能が求められます。
屈折率を合わせる
接着剤と部品の屈折率がずれていると、境目で光がはね返ったり曲がったりして、信号が弱くなります。部品に合わせて屈折率を選ぶこと(屈折率整合、インデックスマッチング)が重要です。
固まるときに縮まない
接着剤が固まるときに縮むと(硬化収縮)、マイクロメートル単位で合わせた部品の位置がずれてしまいます。精密な光学部品ほど、収縮の小さい接着剤が必要です。
長く安定している
熱や湿気で変色したり、はがれたりしないこと。光通信の部品は、長いあいだ屋内外で使われ続けるためです。
OAシリーズは、UV(紫外線)を当てるとすぐに固まるUV硬化型です。位置を合わせたまま一瞬で固定できるため、光ファイバーや光学部品の組み立てに向いています。
光ファイバーの接続・固定と光学接着剤
光ファイバーをつなぐ方法には、ガラス同士を熱で溶かしてつなぐ「融着接続」、コネクタを使う方法、接着剤で固定する方法があります。仮につなぐ場合や、コネクタのすき間を埋める場合には、屈折率を合わせたマッチングオイルも使われます。
光通信の部品の中では、光ファイバーと光回路のチップをつなぐ部分に光学接着剤が使われます。たとえば、1本の光を何本にも分ける光スプリッタ(PLC)では、入力側と出力側の光ファイバーアレイを、チップの端面に光学接着剤で固定します。
接着した面を光が通るため、屈折率を調整した接着剤が欠かせません。データセンターで注目されている光電融合(CPO)でも、光ファイバーアレイや光学部品の固定に使われています。

光学接着剤の選び方(3シリーズの比較)
| OA-9352シリーズ | OA-4861シリーズ | OA-1583シリーズ | |
|---|---|---|---|
| 樹脂の種類 | アクリレート系 | フッ素アクリレート+エポキシ系 | エポキシ系(100%) |
| 屈折率(589nm) | 1.390〜1.497 | 1.400〜1.451 | 1.400〜1.520 |
| 硬化収縮 | — | 0% | 0% |
| 向いている用途 | 光スプリッタ・AWG、リッドガラス、光路の接着。磨きやすい品や、200℃まで使える品も | 低屈折率で、位置ずれを防ぎたい光路の接着 | 精密な位置合わせが必要な光路の接着。屈折率の選択肢が広い |
| 主な特長 | 85℃・85%RHで5,000時間の試験に合格。1998年から光学業界で使用 | エポキシ系で屈折率1.400と、メーカーによれば世界で最も低い屈折率 | 表面がべたつかない。光が届きにくい部分も室温で硬化し、窒素パージが不要 |
AWG:アレイ導波路回折格子(波長ごとに光を分ける部品) リッドガラス:光回路チップの上にかぶせるガラス
製品一覧
OA-9352シリーズ(アクリレート系)
- 光路の接合と、光学部品の固定のために設計
- 85℃・85%RHで5,000時間の試験に合格。1998年から光学業界で広く使われています
- OA-9352SHは、フッ素シロキサン構造により200℃までの高温で使えます
- PFOA・PFOSフリー、RoHS・REACH(SVHC 240物質)に対応
| 品番 | 用途 | 特長 | 屈折率(硬化後・589nm) | 硬度(ショア) |
|---|---|---|---|---|
| OA-9352HT | 光スプリッタ・AWG | 研磨性に優れる | 1.488 | 65D |
| OA-9352HT2 | リッドガラス | 研磨性に優れる | 1.497 | 85D |
| OA-9352LN | 光路 | 低屈折率 | 1.400 | 60D |
| OA-9352LN2 | 光路 | 低屈折率 | 1.390 | 58D |
| OA-9352LN3 | 光路 | 低屈折率 | 1.401 | 85D |
| OA-9352SH | 光路 | 低屈折率・耐熱 | 1.393 | 70D |
OA-4861シリーズ(低屈折率・収縮0%)
- フッ素アクリレートの鎖で屈折率を下げ、エポキシの働きで硬化収縮を0%に
- 屈折率1.400のエポキシ接着剤(メーカーによれば、収縮0%の接着剤として世界で最も低い屈折率)
- PFOA・PFOSフリー、RoHS・REACH(SVHC 240物質)に対応
| 品番 | 用途 | 特長 | 屈折率(硬化後・589nm) | 硬度(ショア) |
|---|---|---|---|---|
| EC400 | 光路 | 低屈折率・低収縮 | 1.400 | 60D |
| EC400L | 光路 | 低屈折率・低収縮 | 1.400 | 60D |
| EC420 | 光路 | 低屈折率・低収縮 | 1.422 | 65D |
| EC452 | 光路 | 低屈折率・低収縮 | 1.451 | 80D |
OA-1583シリーズ(エポキシ系・収縮0%)
- 精密な位置合わせが必要な光路の接合に。硬化収縮0%
- 100%エポキシで、表面がべたつかない。光が届きにくい部分も室温で硬化し、窒素パージが不要
- 屈折率1.400〜1.520の8品番から選べます
- PFOA・PFOSフリー、RoHS・REACH(SVHC 240物質)に対応
| 品番 | 用途 | 特長 | 粘度(mPa·s) | 屈折率(硬化後・589nm) | 硬度(ショア) |
|---|---|---|---|---|---|
| EP400 | 光路 | 低屈折率・収縮0% | 1,500 | 1.400 | 60D未満 |
| EP420 | 光路 | 低屈折率・収縮0% | 1,500 | 1.420 | 60D未満 |
| EP400_3K | 光路 | 低屈折率・収縮0% | 3,000 | 1.420 | 60D未満 |
| EP450 | 光路 | 低屈折率・収縮0% | 1,500 | 1.450 | 80D未満 |
| EP480 | 光路 | 低屈折率・収縮0% | 1,500 | 1.480 | 80D未満 |
| EP500 | 光路 | 収縮0% | 1,500 | 1.500 | 80D未満 |
| EP520 | 光路 | 収縮0% | 1,500 | 1.520 | 80D未満 |
| EP520_10K | 光路 | 収縮0% | 10,000 | 1.520 | 80D未満 |
数値は Luvantix社 総合カタログ(2026年9月版)の代表値です。メーカーサイトでは、OA-9352・OA-4861の屈折率が950nmでの値で掲載されているほか、OA-1583の硬度が「60D以上/80D以上」と、カタログと逆の表記になっています。EP400_3Kの屈折率(1.420)も品番と合わないため確認中です。
硬化に使うUV照射装置(UV-SPシリーズ)
OAシリーズの硬化には、紫外線(UV)を当てる照射装置が必要です。UV-SPシリーズは、米国UVitron社製のスポット型UV照射装置で、Luvantix社がOAシリーズの硬化用に選んだ機種です。接着したい部分だけに強いUVを当てられるため、光学部品の精密な組み立てに向いています。
接着剤と照射装置をあわせてご提案できますので、硬化条件のご相談もお気軽にどうぞ。

SunSpot 2(水銀ランプ)
200Wの水銀アークランプを使ったスポット照射装置。紫外線から可視光までの幅広い光で、素早く硬化させます。
SkyBeam(LED)
波長365nmのLEDを使ったスポット照射装置。熱が出にくく、最大4チャンネルを個別に制御でき、出力・照射時間・スポットの大きさを調整できます。
用途:シリコンフォトニクス・光電融合(CPO)、光エンジンなどの光学部品の実装、光学接着剤・樹脂のUV硬化
照射強度などの詳しい仕様は確認中です。
Luvantix社と大倉ケミテックについて
Luvantix ADM(本社:韓国・大田)は、低屈折率のUV硬化樹脂を専門とするメーカーです。1997年に英国サウサンプトン大学の光エレクトロニクス研究センターとともに、低屈折率のUV硬化樹脂を世界で初めて実用化しました。屈折率1.32まで下げたUV硬化樹脂をはじめ、30年以上にわたって光ファイバーや光学部品向けの材料を開発しています。低屈折率のUV硬化樹脂に関する特許は12件。ISO9001・ISO14001・ISO13485を取得しています。
大倉ケミテックは、Luvantix社の日本の窓口(Luvantix Japan)として、製品のご紹介、サンプル、お見積り、技術的なご相談を承っています。